海の豚

夜よ、こんにちはの海の豚のレビュー・感想・評価

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)
3.7
1978年イタリアで実際に起きた左翼テロリストによる首相誘拐事件をテロリスト側からの視点で撮った作品。
主人公はテロリストグループ「赤い旅団」のメンバーの1人キアラという名の女性。
彼女は当初首相を誘拐することで国家との交渉を可能にし、自らのグループの主義、思想を社会に届ける事が出来ると夢見ていた。
しかし政府は時間稼ぎをするのみで彼らの主張は聞く気がなく、社会に波及したのも安易なテロリズムだけであった。
苛立つ他の「赤い旅団」メンバーはついに首相を殺害する事で自分達がどれだけ本気なのかを示そうと計画し始める…。

キアラの願望が夢となって現れるシーンがストーリーの中で何度も出てくるのですが、この現実と夢の入れ替わり方が絶妙でした。
夢もレーニン時代の赤色テロの映像と彼女の首相に対しての願望の2種類あり、特に首相の方の夢の終着点がどこに向かうのかは必見だと思います。

それにしてもシリア情勢といいアフガニスタンの問題といい、またいつこのような事件が起こっても不思議ではないのが何よりガックリきましたね。
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