夜よ、こんにちはの作品情報・感想・評価

「夜よ、こんにちは」に投稿された感想・評価

シネマQ

シネマQの感想・評価

5.0
こうであったかもしれない現実を、フィクショナルに肯定する
ベロッキオ!大傑作
dude

dudeの感想・評価

4.1
描かれるのは“赤い旅団”による実際の事件だが再現映像のようなアプローチとは真逆の非常に感覚的な作品だった。テロリズムという外向きな行為そのものよりも元首相誘拐の実行犯たちの内面へと入り込んでいくよう。
彼らの隠れ家は外界から身を守るシェルターにも自由を奪う牢獄にも見え、そのさらに深部には彼らを使命の下に結びつける核がしまい込まれている。それ、と言ってしまえるような一つの命をどう扱うのか、そこに人間の正気が問われる。大義のために少しの犠牲は必要...とはよく聞く文言だがそもそも大義というやつは確かなものだった試しがない。現に1978年当時のそう遠くない未来にソ連は崩壊する。外に出るべきだ、知らない人間と話すべきだ、意見が合わなければ議論すべきだ、そんなベロッキオ先生の考えが反映されたのが主人公のキアラかもしれない。犯人グループの中で唯一の女性である彼女だけは図書館で働き外界と関わりを持っている。男たちが言わば過去の遺物に縋っているのに対し、彼女は赤ん坊を通して未来を意識させられるという対比も面白い。とにかく底知れない周到さを感じるので何度も観ていきたい作品になった。
Okuraman

Okuramanの感想・評価

3.8
Good morning-Midnightというタイトルからしてかっこいいし抑制の効いたカメラの動きとカット割りの多い、緩急ついた演出もクールでした。
モロが生きてるかどうか降霊術で占う政治界のお偉方とそれをうしろでクスクス笑う若い娼婦の身も蓋もなさ...。pink floydにはびっくりした。
cateye

cateyeの感想・評価

3.5
ラストが非常に印象的
最初は理解に苦しんだけどあとからじりじりとおもしろくなってくる
高評価だったのでレンタル鑑賞。
荒波のように押し寄せる
「楽興の時」
ラストシーンが頭から離れない。
2MO

2MOの感想・評価

3.8
まったく、不合理で不可解な神の御業を、映画という神の視点で語り直す匠の技。

光や影や夢や現実や、流麗なイメージの移り変わりが、動かざる史実の形なき情動を付加する。
フィクションによって見出さんとする真実は、“主観的現実”の可能性を広げていく。

過ちは人の手によって赦されていく。
September

Septemberの感想・評価

4.3
イタリア映画祭にて
政治的な堅い映画と思いきや、エモーショナルでかっこいい。
マルコ・ベロッキオは映像にあまり作家性が感じられなくて作品を敬遠してたけど、甘き人生の映像が良さ気だから評価の高いこの作品を試しに鑑賞してみて、なるほどこれも映像の完成度は非常に高かった

まず画質が変に古臭いなと思ったら実は70年代を舞台にしていたということでそこに感心し、音に関しても途中で聖歌っぽい音楽が流れたりして不思議なものがあり、主人公がテロリストとわかるシーンも直接映さないところにスマートさが感じられたりと、冒頭十数分で洗練された演出に魅了された

そしてテロリストと誘拐した政治家の関係を描いた物語がメインとはいえ、その監禁した政治家を覗き穴から見たり見られたりする緊張感ある演出やレイアウトがやけに美しい図書館等、画作りに力を入れている箇所が目立っていた点は映像至上主義の身としても実に満足のいくものだった

ラストもカナリアが伏線になっててなんとなく予想はできたけど実際見たら解放感あるな……と思いきやの意外性があるものだったのには正直平伏したのと同時に事実に囚われない想像力と良心に溢れる演出には感動を覚えた

作品としても素晴らしかったが、中国は近いのような共産主義にお熱な映画を作った監督とは思えない、共産主義批判を含む作品をベロッキオが作ったことにも彼の心境の変化が表れていて、色んな意味で興味深い作品になっていた

ところでここだけの話、前日にモアを見ていたせいで最後にこっちでもピンクフロイドが流れた偶然には少し驚いた
紫色部

紫色部の感想・評価

4.5
2017.7.5 DVD

光を封じ込む影の造形。音が先行して映像を動かす。静と動との完璧な緩急。理想はやがて現実となる。これでこそ「映画」。空間の切り取り方諸々も卓越し過ぎでもう笑うしかない。大傑作。
ジリジリと寄せる焦燥。夢なのか夢であってほしいのか。
極端な思想、それもいい。
ただ、暴力で訴えるのはあってはならい。
そんな事で世界は変わらないし、屈しはしない。
若き暴走を止める手立てはなかったのか。
>|