久々に心にグッとくる全キャスト・スタッフの熱量を感じる映画を観ることができた。
元々ヤクザマフィア映画は好きなのだが、ただの暴力映画ではなくやっぱりこういう何かを訴えかけてくれるヒューマン要素が入ったものが良い。
これまでの単なるヤクザものとは異なる、現代のヤクザを取り巻く環境やネット問題も含んだ新しいジャンルを目の当たりにした。
20年間を3つに分けて描いているのにも関わらず、綾野剛はどの時代でも違和感なし。
綾野剛、磯村勇斗を筆頭にキャスト全員の「目」も忘れられない。
中学生の頃から約15年間好きだった市原隼人も久しぶりに良い作品と出会い、市原隼人感を無くした演技ができたのかな。
ケン坊が父親とどんな関係だったかは描かれていないが、それでも葬式に出たり、父親が死んだ理由を憎むくらいの愛情はあったのだろう。
誰よりも愛に飢え、誰よりも周りに愛情を注いだケン坊。
関わってはいけない世界にいる彼だけど赦してあげてほしい。幸せになってほしいと願ってしまった。
ケン坊が少し救われたようなラストシーンはよかった。
ゴッドファーザーみたいな三部作でだったり、それぞれのバックボーンをサブストーリーで細かく観たかったなと思った。
