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ヤクザと家族 The Familyのsonokのネタバレレビュー・内容・結末

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

よかった。本当によかった。
役者も、脚本も、演出も、何もかもが良かった。

これはヤクザ映画ではなく家族の話。
柴咲から山本、山本から翼に継承される想いと愛情。
血のつながりよりももっと強いつながりがある。
けれど、血のつながりを何よりも愛おしく思うこともある。

たまたま主人公がヤクザだっただけ。時代の流れによって、受け入れられるもの、受け入れられないものが変わっていく、そういう変化の中で様々な人間が生きていかないといけないお話。

ゆかへの留守番電話の独白のシーンは映像も相まって涙が止まらなかった。
「愛してる」ってあそこで初めて言えた山本。

どのシーンも良かったし、どの演技も素晴らしかったけれど、一番印象に残ったシーンは、最後の防波堤での、翼の表情。
なにも語らないあの泣き笑いのような表情に20年間全ての物語が帰結するように感じた。
自分と同じ想いを抱える人と出会えた安心感、
尊敬するアニキを想ってくれている人がいる喜びとアニキにも大切なものがあったんだという喜び。

負の連鎖を終わらせた男の物語の後に、希望や未来が見えるラストでした。
また見たい。

▼メモ
・令和に切り替わる14年間のブラックアウトは、「14秒」
・令和になってから画角の大きさが変わる
・ブックエンド方式だけど、その先が新たな物語として描かれている
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