みぎも

ヤクザと家族 The Familyのみぎものレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.5
悲哀。

市原隼人はこんなに演技出来たんだなってビックリした。全然うまくない印象だったから余計に。
綾野剛の役の入り方は素晴らしかった。
破滅的だけど、愛を知ったあとの切ない表情に心を打たれた。

私は劇中の山本と同年代だった。
1999年の山本たちが遭遇する恐怖の出来事はまさにその頃私の知り合いの身にも起きたことだったから、やっぱりヤクザこえー!ってなった。
当時の私の知り合いは無事です。

2019年に入った時、画角が狭くなって、より閉塞感を感じる画面作りに。
ヤクザに肩入れはしないが同情はせざるを得ない。
ヤクザだけではない、時代が変わって行くとき取り残されてしまう人間はたくさんいるのだ。

私は20代前半の時に手っ取り早く金を得るために水商売をした。
静かに飲むヤクザもいれば、好き放題やるヤクザもいた。
薬切れなのか、急に別の卓の客に変な言いがかりつけて暴れる若いヤクザもいた。
椅子蹴飛ばした時ちょっと足に当たったし痛いしすごく怖いし迷惑だしやめて欲しいなと思った。
水商売はとっとと辞めた。

ヤクザ映画ではよく仁義とか義理人情とかかっこいいこと言ってるけど、そんなんどこにもねえじゃねえかと思ってた。
でもそれはヤクザという家族のなかだけにある絆みたいなもので、私たちのような一般人には到底理解できない覚悟のようなものなのかな、と映画観ながら思った。

本編ではちょろっと泣いたくらいだったのに、エンディングの歌詞が山本過ぎて号泣した。
MV観てまた泣いた。
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