極道という生き様を選んだ時点で、社会的に後ろ指さされるのはある程度同情の余地はないわけだが、それに巻き込まれる周囲の人は不憫だった。
話の筋としては、暴力に生き、更生しようともがくが結局最後は暴力で死んでしまうという‥どうしようもない話であると思うのだが。何故かとても心に響き、心地よい余韻があった。
それは恐らく映画としての表現力が高いからなんだと感じた。過去と現代の対比が上手く、特に防波堤のシーンの対比はとても綺麗だと思った。
テーマはヤクザ社会なのだが、この作品で表現したかったのは多分栄枯盛衰で、必ずしもヤクザでなくても良かったんじゃ無いのかなとも思う。というのも、極道の表現が典型的すぎて薄っぺらく感じてしまったからだ。
と、その辺りが気になったものの、俳優さんたちの熱演は胸打つものがあるし、映像や演出も好みであった。
そして、トドメのエンディングテーマのmillennium parade がまた良いのなんの、浸らせてくれます。
ちょっとちょっと周りのお客さん、エンドロールで席立たずに最後まで浸ろうぜと久しぶりに感じた作品であった。
