デヒ

キングダム2 遥かなる大地へのデヒのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

完全な娯楽映画だが、退屈な演出。
1作目の凄さで驚いた心2作目で急に下がってしまう。2作目は飛ばしてすぐ3作目に行っても良さそう。

初の4Dを経験。アクションに合わせて風が降ったり座席が動き出すのが面白かった。一番良かったのは、映画の中で血が飛び散る時に座席から水が出て顔に撒かれるが、戦場での信になったような気分がして楽しかった。

キングダムの1作目は映像美がとても美しく、アクションと音楽が素晴らしかった。良い印象として残っていたので2編も鑑賞。
しかし、今回の映画は全編より場所の多様性が少なくなった。今作は二つの国の広大な戦場での戦闘が主な物語である。コロナのせいということもあると思うが、クレジット見たら中国ロケかな?
相変わらずアクションは素晴らしい。剣術が素晴らしい。昔の映画ファンはチャンバラ映画が好きだったと言われていたが、その感情がわかった。しかし、ワイヤーアクションは目立った、漫画原作ということで仕方ないと思うが、本当に現実性のないジャンプをする。清野菜名さんが演じたろくすいは、踊るような、まるで中国の武侠映画を思わせる武術をする。一見『シャンチー』の感じもしたが、カット割の問題だろうか、美しくは見えなかった。

1作目と似ている演出をしていていい所もあるが、全体的には残念なところが多かった。
1番目では、画面転換がある。左から右へ、それとも右から左へ画面がめくられるワイフ(wipe)演出。『キングダム』が歴史を扱った映画であるだけに伝えようとする話が多いためか、昼と夜または場所移動が途方もなく多い。なので画面転換が避けられないことが理解できるが、このワイフ技法があまりにも多く繰り返される。時々にはどんな演出も使わずにすぐ場面が出てきた方が緊張感もありつつ、見やすかったかもしれない。あまりにもたくさん繰り返されるから、「またか?」となり、退屈になる。
2番目は、フラッシュバック(回想)が多い。過去にあったことを台詞で説明する中で観客の理解を助けるために回想シーンを使ったものと考えられるが、これもまた多すぎる。ろくすいの過去の説明では必ず必要だったと思われたが、序盤に壁が信に戦争について説明する所では台詞だけで説明しても理解できる、成立する情報だったにもかかわらず回想が出てきて退屈だった。
3番目では、音楽は全て良かったが、入れすぎる。雰囲気及び構成のためでは良かったが、音量も大きくて、台詞が聞きたいのに音楽に流されてしまう。
最後は、この映画での起承転結が曖昧である。小さいところでのカタルシスはあるが、全体の映画でのプロットポイントはどこなのか、曖昧だった。最後の二人の将軍たちの戦いが薄かったためか。敵軍の魏という国の大将軍の吳慶がそれといった活躍がなく、あっという間に終わってしまったのが残念だった。

2023年に3作目が出るそうだ。予告編を見た瞬間、気づいた。やはり今回の2作目は3作目のためのビルドアップ用の作品だったと。アクションが良かったし、ろくすいと出会ったこと、そして信の成長を見たことは良かったが、スキップして3作目に行っても損することはなさそうだ。

やはりミスチルの「生きろ」はでかい音量で聴くべき。
山崎賢人と清野菜名と渋川清彦が格好良かった。
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