チアブー

キングダム2 遥かなる大地へのチアブーのレビュー・感想・評価

2.0
キングダム2(遥かなる大地へ)も、作り物感や学芸会感が拭えなかった。日本実写活劇の限界なのか?アクション、VFX・CG、編集などが素晴らしいが、肝心のドラマが薄っぺらだった。監督の人間描写の演出力が無いことは予想していたが、そうなった。思いと熱さだけで金太郎飴みたいな紋切り型。深みが無い。

最初に大平原で正面から走って突っ込んで弓矢が飛んでこないことってある?敵がみんな、みんな頭悪くて、無策で物語進行上に都合がよいだけで閉口ウンザリした。理由もなく主役がジャンプすれば強く、敵が圧倒的に多いのに弱過ぎて何も考えてなくて、将軍が強そうに策がありそうに見せてただけで笑える。この戦いは、敵が自爆しただけなのだ。
少年漫画なら許されるけど、青年漫画ではどうなの?
スケール感と熱さだけでいいのか?合戦ファンはガッカリだ。映画的評価が低いのはそのせいだろう。それに気が付かない脚本・監督さんなのだなあ。
予告編は面白そうなのに、本編が凡庸であまりに単純幼稚。アクションが補っていただけだった。

原作漫画通りなんて、どうでもいいので、心躍るハラハラドキドキの活劇映画にしてもらいたかった。ゆったり安心しながら眺めて退屈だ。主人公が勝ことは分かっていてもハラハラさせて欲しい。
大作映画というより、大画面で見る金儲けコンテンツ。客寄せパンダ的なキャスティング、主題歌アーティスト、過剰大量広告宣伝。中国歴史パビリオンの展示映像って感じで。正直眺めるだけだった。

日本映画界(評論、映画ファン)からは無視された。キネ旬96位!映画ファン達の評価はベスト10圏外。なのに昨年の実写で一番稼いだ作品、内容が伴わない…ルーキーズ~卒業~みたい。
映画ファンではない、年に数本しか映画を劇場で見ない観客の動員が助けたのだろう。原作漫画をなぞっただけの夏休み賑やかしイベントコンテンツ。映画的価値があまりない。昔からそうゆう例があって、それもいいのだけど💦日本史上最高の制作費をかけているのに悔しいじゃないか!

アクションと撮影・CG・VFXは向上してると思うものの脚本と演出がpart1から旧態依然としてるのは、どうしてなんだろう?意外性がなく、ほとんど危なげもなく、ただ凡庸。もっともっと、主人公をピンチに追い込まないと、甘くてゆるくてドキドキしない。そのせいで戦闘がキレイな振付に見えてくる。必死で戦っていない。ちょっとケガしただけ。その芝居演技にも余裕があり過ぎだ。漫画をなぞっただけで原作者に逆らえない奴隷監督なのか?本格的戦闘映画にしょうよ!
勇気づけ励ましシーンは少年漫画でやってよ。白兵戦なのに長々と会話して敵が襲ってこない。会話終わったら襲ってきた。突っ込みどころは満載だ。崖から落ちてどうやって生き延びたの?スルーかいな!

演技指導にこだわりがないのか、苦手なのか、俳優がみんながみんな熱いのだが、紋切り型の舞台演技で飽き飽きしてくる。これが積み重なると何をやっても刺激がなく退屈なのだ。どんな演技をするか先に分かってしまう。生きてる人物(人間)ではなく、大芝居する役者感(臭い)が拭いきれない。人物像が類型的で衣装も相まって学芸会。リアリティーが演技からも感じない。真の感情や熱い思いを監督が描けない。演技指導が苦手な絵コンテ監督にありがちだ。
日本最高額の制作費で周りのスタッフが優秀なだけに、主要プリプロのソロバン勘定サラリーマン仕事はまずいよ。現場スタッフの頑張りが水の泡。活劇芸術にまで昇華しょうぜ。監督のこだわりが、あまりにも無い!
脚本を含めトータルな活劇演出ができないものか。監督更迭。オジさん監督ではなく、映画化にあたって原作の甘過ぎる弱点を補って、内容を変えるぐらいの気骨のある才能溢れる天才次世代監督にpart4、5を監督してもらいたい!

part3(運命の炎)も2(遥かなる大地へ)と同時に撮影してるようなので、金儲けはできるが、内容はあまり期待できないだろう。
この脚本・監督のレベルは低過ぎ、なんとかしないといかんよ!
でも、もちろんpart3見ますよ!💦 
頑張れ日本実写エンタメ映画!
アニメ、アジア、世界に負けるな!!
チアブー

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