実話に基づくというけれど、おそらく実話なのは奇形ガエルの大量発生くらいではないか。
全体的なテーマとしては化学物質の垂れ流しによる環境破壊や生態系破壊を扱った社会派。そこに、とってつけたようなモンスターパニック展開を強引にねじ込んでいる。ラストシーンはもはやホラー。真面目なのかふざけているのか。とにかく、どっちつかずになってしまっているので、何を見せたいのかがぶれている。
人間のエゴや愚かさをもっと全面的に描けば、下手にホラー要素を入れずとも恐ろしい作品になった気がする。
余談だけど、劇中に「適度な距離を保った方が いい関係を築ける」というセリフが出てくる。これ、本当にそう思う。
とにかく人は至る所に侵食し過ぎだと感じる。我が物顔で森を切り崩し、住処を奪われた野生動物が下界へ降りてきたら害獣扱い。危険だから、食料を奪われるからという理由で殺す。海も川も、魚たちがどうなろうと知ったこっちゃないと汚し放題。いや何様? 人は人、動物は動物で、いるべき場所で生きていけばいいんだよ。お互いに干渉せず、そっとしておけば、何の問題も発生しないでしょうに。なんでわざわざほかの生きものの平穏を乱すんだろう人間って。