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あのこは貴族のKUBOのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0
なんか、すごい愛おしい映画だった。

主人公は2人。医者の家庭に生まれた良家の娘さん華子(門脇麦)と、田舎から出てきた苦学生の美紀(水原希子)。

「すみません、松濤まで」って、私のホームタウンじゃんw

普通の金持ち(?)だった華子が、さらにすごい犬神家の一族みたいな家に嫁いでいってさあたいへん。

ところが、この結婚した御曹司・幸一郎(高良健吾)を通して華子と美紀の人生が交差する。

で、この美紀の田舎・富山がうちの奥さんの実家だったりするから。なんかいろいろわかるw

田舎から見た東京を慶応の人脈だけで語られても偏り過ぎでしょって思うけど、こういう人たちもいるんだろうな。

うちも住んでたところだけで言ったら貴族側だったのかもしれないけど、公立学校通ってた段階でこの方々とは違った。4200円のアフタヌーンティーセットなんて死んでも頼まんしw

門脇麦ってホント上手いな〜。こんなどこから見てもお嬢さんの役もこんなに上手くできちゃうんだ。水原希子って、実は好きな女優さんじゃなかったんだけど、本作の美紀役はよかったな〜。華子とは対照的な自分のチカラで生き抜いていく女性像はカッコよかった。さらに言うと、ヴァイオリニスト役の石橋静河もすごいよかった。お姉さん役で今注目の女優さん篠原ゆき子も出てる! この映画、キャスティング、すごくない?

誰も悪人は出てこないんだよね。みんなそれぞれの「カースト」の中で最善を尽くしてる。でもやっぱり「カースト」はあって、その中で古い因習を打ち破って明日に向かおうとする彼女たちがとても清々しい。

希望のあるラストも好き。

きっとこれが2020年最後の試写会。よい映画で締めくくれたかな。公開は来年の2月26日。まだだいぶ先ですが、オススメです。
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