Shima

あのこは貴族のShimaのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
5.0
華子が自分には合わない価値観をぶつけられたり、美紀の地方出身者特有の鬱屈とした感じが自分にも思い当たる節があって良くも悪くも突き刺さったというか喰らったというか。2人の心が晴れないようで大半がうすぼんやりとした雰囲気で話しが進んでいくけどそれでもとても素晴らしい作品だった。
門脇麦のお嬢様で世間知らずっぽいけどちゃんと人付き合いは出来ている微妙なバランス感と表情が乏しいキャラクターはとても良かった。自分で決断せずに流されてしまってずっと本音を言えないけど最後はちゃんと決断して作中はほとんど見られなかった笑顔も見せていて良い終わり方だと思った。衣装でagnes b.のカーディガン着てて、お高くとまってるわけじゃないけど品の良さがにじみ出ていると思った。
水原希子も家族や高良健吾、そして東京という場所の影響でどこか生きずらさを感じているような雰囲気が良かった。華子にアイスをあげるシーンはすごく好きです。
華子と美紀ががっちりと手を取り合う展開になるかと思っていたけどそうではなくて二人とも自分を理解してくれる身近な友人と共に進んでいこうとする姿がとても良かったです。
自転車のシーンと三輪車のシーンが特に好きでした。山下リオも石橋静河もとても良かった。高良健吾も家系のせいでどこか苦しそうな感じが良かった。決して悪い人ではないんだなと思った。

今の時代にマッチしている作品だと思ったし今のところは今年で一番良かったです。
Shima

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