「全然お気に入りじゃないし、手にも馴染まないし、ダサすぎるんだけど、なぜかしぶとく壊れずにずっと残っているコップってあるじゃん?
…あ、あまりピンと来ないか。笑」
感想はとめどなく流れてくるけど、
ずっとこびりついているセリフがリフレインしてる。
「なんだかとても落ち着きます。だって、この部屋の全部が美紀さんのものだから。」
あの美紀の部屋で交わされた会話に、なんでこんなに心奪われるんだろう。
「選択」って、どこまでも突き詰めて考えると分からなくなる。私の意思ってどこにあるのか。
親に反発して生きたって、それもつまりは縛られている。
「そういう風に育ってきたから」「今ここにいることは私の選択じゃないはずだから」
盲信的に外的要因からの価値観を自分の意思として刷り込んできた華子は、ある種最も潔い。
「地方から出てきて、消費されまくって、私たち完全に東京の養分だよ。」
「どこで生まれたってさ、、、」「女同士の対立を消費したがる日本社会」
東京という街の遠心力を生み出すのはきっと女性。越境する異邦人でありたい。