Ethel

あのこは貴族のEthelのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.8
2回目の鑑賞でも、エンディングで涙が止まらなかった。
登場人物の誰かが泣いている訳でもないのに、涙が出てくる体験は不思議だった。

思えば劇中では誰も涙を流していない。
感情を大きく吐露するようなシーンもなくある意味淡々と進んでいくが、
女性にとっては置かれた立場が違っていたとしても、どの人もこの映画を見て心に刺さるものがきっとあるんじゃないかとと思う。
個人的には美紀のエピソードに自分を重ねてしまうことが何度もありながら、
結婚すること自体がゴールになっていて、
相手のことを深く知らないままプロポーズを受け入れてしまった華子の気持ちにも共感しながら見ていた。
昼間に誰もいない部屋でFacebookで夫や逸子の近況投稿を眺めている華子の姿がとても虚しく見えた。

私の人生ってこれで良かったんだっけ?
時にはそう感じてしまうこともあると思うけど、その時小さなことでも行動を起こしてみると、人生って意外と大きく変わっていく可能性を秘めてるのかなって思った。

自分が歳をとる度に、この映画を見て感じることが変わると思う。
1年に1回は見てまた考えたいな。
Ethel

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