マウントの階級社会どろどろ、同じ慶應作品でいうと愚行録みたいな鬱々した映画かと思ったけど、それぞれの女性が逞しく自分の置かれた環境で、息苦しさや葛藤がありながら、自分の道を生きていく、心に刺さるけどどこか希望の光がすーっと差し込むような映画だった。
どっちの住む世界が良いとか、羨ましい、とかそういう描き方ではなくて、それぞれの世界の苦悩を描いているのが、今までの階級社会の物語の捉え方と違って、ぐっとくるポイント。それを象徴するような美希と華子が対面するシーン。２つしかないけど、それぞれ印象深い。分断して対立するわけではなくて、別世界の混じり合い、別世界なはずだけど同じ世界。
ただ、淡々とすすむストーリーもよかったと思うと同時にそれぞれの心に潜む劣等感はさらっとしすぎたかもと思ったりも。
逸子が好き。救いの人。ただ、いちばんの上流社会の人間だと思った、あの自信と余裕はお金の土台があるからこそ。
台詞もとっても好きだった
「いつでも別れられる自分でいたい」
「女を分断する価値観、そういうの嫌なんです」
「女はサーキュレーターじゃねえ」
「でも、その日、何があったか話せる人がいるだけで、とりあえずは十分じゃない？ 」
高良健吾はちょっと鋭い感じが育ちの良い空虚感に合わないけど、華子が初めて会った時の衝撃には高良健吾しかいない。彼も彼の世界でもがいているんだよな。
てか、水原希子の骨格半端ないし、映像であの細さってどゆこと？
