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あのこは貴族のNのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.9
女として、地方から東京に出てきた者として、心に残るセリフがたくさんあった。
地方と東京の描かれ方が面白い。
東京って人口は多いけど階層が違う人とは出会わない構造になってるの、本当その通りだと思う。
門脇麦ちゃん演じる華子、他人にマウント取る様子も全くないし嫌味がないところが本物のお嬢様なんだなって思わされた。

渋谷の松濤を通りがかる度、「この博物館みたいな家に住む人たちはどんな生活をしてるんだ・・?」って思っていた。「前世で相当な徳を積んだのかなー?」って。
いやいやでも、そうじゃない。
『どこで生まれたって、最高って日もあれば泣きたくなる日もあるよ』
ミキちゃんの言う通りなのである。
結局、何が幸せかは自分次第の生き方、どう生きるか次第だ。

田舎から出ずに生涯を終える人々と、東京のスーパー貴族は、“親の人生をトレースしている”という点で同類である、というのは大発見。
井の中の蛙って恐ろしい!環境を変えて広い世界を見ることって大事だね。
あと、独身のお友達のセリフの
「経済的にも精神的にも自立していたい。いつでも離婚できる自分でいたい。」っていうのもとても良かったな。
素敵な女性たちがたくさん出てくる作品で小説も読んでみたいと思った。

ところでこの映画に出てくる登場人物の中で自分の階層はどこだろうと考えた場合、赤提灯系居酒屋で管巻いてる人々に分類されると思われる。
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