あ

あのこは貴族のあのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.5
原作を読んでいてずっと気になっていた映画。
お正月に成り行きで急にひとりで暇になってしまったので観ることにしたんだけど、今の自分に当てはまる部分が多すぎて(ちょうど映画も元旦から始まるし)、ずーっと画面を見つめてしまった。

良家に生まれ東京で育った華子と、田舎育ちで上京してきた美紀と、どちらに自分を重ねるわけでもなく、どことなく真ん中あたりを眺めながらも共感はする。
華子の結婚に焦る様も、いざ結婚してからの悩める様も、美紀が内部生を見つめる眼差しも、地元に覚える嫌気も、家や土地に縛られた2人の姿も。
終わり方こそあっそうか、そこで終わるのかという感じだったけれど、無事に全員が収まるべきところに収まったような安心感もあった。
美紀の、どこで生まれても最高という日もあれば落ち込む日もある、というような言葉の通りだと思う。どんな立場でどんな地位でどんな肩書きがあろうと人には人のしあわせも地獄もあってそれは他人からはとても見えにくい。人と何かを比べるものじゃないと年々強く思います。
今いる場所で咲くしかないし、手持ちのカードで戦うしかない。

地方都市名古屋で生まれて育って、両親の実家も名古屋で生粋の名古屋人で正月すら家族で名古屋から出ることはなくて、家は別に貧乏でもなければお金持ちでもないけれどそれなりに安定した環境で育ってきた気はしていて、アフタヌーンティーにお金は出せるし、家族仲も良好で、ご馳走だって出る。それでもやっぱり実家や祖母の家は窮屈で元旦になって早々にひとり暮らしの家に帰ってきてしまった、長女で両親の家どちらから見ても初孫でアラサーで独身のわたしにはあまりにも刺さるお話なんですよ。

2023年の一本目だったわけだけど、今年のわたしの目標は自分のすききらいやしあわせは自分で決められる人間になることなのでなんだかちょうど良かったな。
人と比べることはしないように考え方の癖をつけていこうと思います。
それと新しいことをできる限り取り入れて、何事も楽しんで、本や映画をたくさん吸収できたらな。ながら見もやめたいです。笑
あ