ぺー

あのこは貴族のぺーのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.7
映画 あのこは貴族(2020)日本/124分
監督.脚本 岨手由貴子
原作 山内マリコ
主演 門脇麦 水原希子 高良健吾

専門1年の頃から気になっていた作品をようやく観る事が出来た。
箱入り娘として裕福で規則正しい生活をしている者と、貧しいけど普通な暮らしをしている者との境界線が徐々に無くなって心通わせていく描写が穏やかで静寂で心に染みた。
ハナコにとって、金持ちの生活が苦しくて結婚を必ずしなければいけない束縛から解放された時の笑顔が素敵だった。
ミキの視点から描かれているストーリーが中々面白くて、慶應義塾大学を中退してでも昔からの仲の良い友人と会社を起業しようと奮闘する様とか、かっこよかったし、女性の華麗な生き様を感じで美しかった。
やはり金と権力と結婚に囚われてしまっていたハナコだからこそ、逃げてよかった道。他人に気を取られていると本当に人生って壊れるし、それから見事抜け出せた。
ハナコとミキの階級社会から手を伸ばした先に見えた希望こそが本作に相応しいラストを飾れた。
流れとしては5章に分けて描かれていて退屈ではあるが、階級が違う事で起きる格差で育った2人の全く違う意見が交わった時の噛み合わない所とかクスッと笑えるし印象に残った。
「いつでも別れられるような自分でいたい」ってある意味良い。
金持ちは"自分が完璧"な貴族だと自ら認識するし、俺はぶっちゃけクズって事で断定するけど、その中でも信用できる人がいるのは嬉しいよね。
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