約4時間の超大作。淡々と進んでいくけれど途中から災難のカオス。出てくるキャラに1人も感情移入できないけれど、キャラ自身の視点にたった時に、あーね。って言いそうになっちゃう怖さもある。
主人公の辻一路。モテて仕事もできる男だが序盤ですぐに煮え切らない男だと判明する。年上の家まで来る先輩細川。典型的なダメ男が好きになりそうな後輩みっちゃん。こういう人は後々地獄を見る。
コンビニで出会った事(命を助けた事)をきっかけに葉山浮世の幸薄さに巻き込まれていく辻。なぜ借金を肩代わりしたのか。すぐにお金を際限なく出してしまうのか。本当に髭面のオヤジでも同様に助けたのか。辻自身もわからないくらいの速度で彼女に惹かれていった。
たぶん目の前で弱っている人を助けたいのではなく、自分から危険な沼に入り込みたいって気持ちの方が強そうだと感じた。
自分より弱い人を庇う事がイコール「好き」なのだろうか。この作品はそこに注視している気がする。
自分が言った振り方で振られたり、同じゴミ箱につまづいたり、などなど後半はデジャヴ祭りだった。
とりあえずこの映画で決定打になるのが「結婚しよう」であり、しちゃいけない行動としてまざまざと描かれている。
なぜ「結婚しよう」が今回はみな失敗したのか。それは言うタイミングがみんな違かったからではないか。本来なら一緒に幸せになるために発言するはずだが、誰一人そうではなかった。
「相手を繋ぎ止めておきたい」などと自分勝手に考えて発言するからこそナイフを持ち出したり心中なんて考えるんだと思う。
蛇足だが、成長した娘ちゃんがねじ曲がった女の子じゃなかったのだけが救いですわ笑