~うっすらネタバレを含みます。
うっすらですが、未見の方は、ご注意ください。~
あらすじは、
仕事で成功した大富豪エドワードと、家族のため学業を断念し整備工として働いたカーター。二人は入院先の病院で同室になり、互いに余命宣告を受ける。「棺桶リスト」(残された人生でやっておきたい事リスト)を実行し始める。
というもの。
ステレオタイプの「分かりやすい感動物語」ではある。
下手したらつまんないことになってしまいそうだけれど、本作品は評価が高い。理由は、見てみたら納得。
わかりやすいし感動ポイントも押さえられているし、キャラクターが魅力的だし、名優2人のすばらしさは言わずもがなだし。
大富豪と整備工がどうして相部屋なのかなんていう設定に対してモノ申されそうなところも、それまでの流れとエドワードと彼の秘書のやりとりでサラっとクリア。同時にこのシーンでエドワードと秘書の関係性も表されていて「うまいなあ」と感じた。
ただ、それほどしっかりした構成だからこそどうしても1つ気持ち悪かったところがある。
後半、旅も終えたころ、「孤独」エドワードと、「家族愛みちみち」カーターを
わっかりやすくベタッタベタに対比しているシーンがあるのだけど、
どうしてもそのシーンが「孤独(家族が身近にいない事)」vs「家族愛」の構造を作るためにとってつけたように見えて。
そこまでの流れから、(その時点でいくら家族と確執があったとしても)エドワードの人間性には魅力があるのが観客には伝わっているため、そりゃ家族が近くに居ないのはさみしい時もあるだろうけど、彼のこれまでの人生はそれほど孤独でもないよねと思う。
それなのに彼を「孤独」側として表現するのは浅い気がした。
またそもそも「孤独」=かわいそう・悲惨、「家族愛」=最強・最高・素晴らしいという押しつけには大いに違和感。
既存の価値観を無条件に肯定するのは私、やだな。
と、話がすこしずれたので戻そう。
登山者の顔がわかった時には「なるほど!」と思った。このシーンが本作で一番テンションが上がった。
あとエドワードの秘書君のかわいらしさが最強。ちょっと、高橋一生さんの出世作?!テレビドラマ「民王」の「貝原茂平」を思い出す。