YUMI

スザンヌ、16歳のYUMIのレビュー・感想・評価

スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)
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特に大きなストーリーがあるわけではないけど、起承転結がしっかり抑えられているので、物語として破綻していなかったのがまず良かったです。
不平不満があるわけではないけど、学校や同世代の友人達に物足りなさを感じている16才のヒロインが、35歳の男性に出会って淡い恋をする。
私自身、彼女と同じ歳の頃には同世代の男子なんかガキに思えて、年上の男性にひたすら憧れていた記憶があります。でも理想的な男性が身近にいなかったので、こういう恋はできませんでした(学校の教師なんか論外でしたからね)。だからちょっと彼女が羨ましかったです。
激しいラブシーンはありませんが、カフェでのシンクロダンスに、二人の心が確実に寄り添って行くのを感じました。
同じダンスシーンでも、舞台の上で行われる場面では、ああこれがこの恋のクライマックスなんだなと。
19歳差といっても、これが26歳と45歳なら、まだどうにか出来たんでしょうが、まだ人生が始まってもいないような16歳じゃ、未来はないと二人ともわかっていたんでしょう。
ハッキリとした別れがあるわけでもないけど、恋が静かに終わっていく雰囲気が、とても自然に描かれていたと思います。
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