ケイトから語られるダヴィドに対するアレックスの恋心の客観的な指摘は、まさにヴィリエ・ド・リラダン「未来のイヴ」でエディソンからエワルド卿に語られる言葉そのもの。つまり「恋心」とは幻影であり美しい身体や顔の内に何かを幻想することにすぎないということ。この引用は原作にもあるのかな？そもそもこの引用が適切か疑問形だったのは、ダヴィッドは精神的に卑しい奴とは言えず利他的な行動してたよな？って思ったからだけど、そういえばそれも怪しいっていう描かれ方してた。
“あなたがあの女の中で愛していらっしゃるのもの、そしてあなたにとって、それだけが、その実在であるものは、その通りすがりの女性の内に現れているものではなくて、実はあなたの「願望」の実体なのです。”
“この影だけをあなたは愛しておられる。この影のためにあなたは死のうとなさる。あなたが、絶対に、実在として認めておられるのはこの影だけなのです！”
「未来のイヴ」第二巻,第六章
