このレビューはネタバレを含みます
君の名前で僕を呼んで みたいな感じかなと思って観たら全然違ってた。
別れ話のシーンを観てる間ずっと息が苦しかった。ダヴィドがアレックスに「君といるのに飽きた」と言い放った時は心臓が止まるかと思った。愛してる人に「飽きた」と言われることより恐ろしいことがあるか?それなら「嫌いになった」と言われる方がまだマシだ。どれだけ深く愛し合っていたとしても、どちらか一方が冷めたり飽きたりしない保証はない。飽きたとか変化が欲しいなんて、誰も悪くないしどうしようもなさすぎる。どこに気持ちをぶつければいいんだ。怖すぎる。
ケイトはアレックスに「あなたは彼の顔と体を愛して、中身も理想通りだと幻想を抱いてた」と言ったけど、本当にそうだったんだろうか。アレックスはダヴィドを愛していたけど、ダヴィドはアレックスを愛しきれなかっただけに見えた。アレックスはアレックスなりにダヴィドを愛していたと思う。
アレックスは相手がダヴィドじゃなくてもちゃんと人を愛することができる人だから、以前に助けた酔っ払いの人と再会してダヴィドの遺した船で海に出たのはすごく気持ちのいいラストだった。