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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のMasterYuのレビュー・感想・評価

3.2
囚人のワークショップで演技を教えることになった売れない役者エチエンヌ。
一癖も二癖もある囚人たちを相手に苦戦するエチエンヌであったが、次第にうまく回り始め、刑務所長も巻き込み、刑務所外で公演するまでになる。
囚人たちの舞台は評価され、大劇場、パリのオデオン座から最終公演のオファーが届くのだが・・・。

実話をベースにしている作品だということですが、問題ある人たちが目標を持って行動することで、周囲からの評価を変えていく・・・なんてよくあるパターンのストーリーと思いきや、いや実際そのパターンに則った展開だっただけに、クライマックスは意表をつかれたし、そこで原題の「Un Triomphe(勝利)」が誰の身に降り注がれたのか分かるのが面白い。
しかしながら、そのクライマックスは確かに意表をつかれるものではあるものの、キャッチにあるような「感動であなたはもう席を立てない!」というほどのものではなかったですね。
エチエンヌの語りは、そこまでこちらが観てきたことの繰り返しでしかないから、どうにもエモーショナルにはなり難い。そこはとても残念でした。

そこに至るまでの流れとしては、掘り下げは薄いものの囚人たちの描写はよかったし、コメディとしての一面もしっかりあって楽しめました。
できればエチエンヌこそ、もうちょっと掘り下げるところがあってもよかったかも?
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