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人数の町のmatpenのレビュー・感想・評価

人数の町(2020年製作の映画)
2.5
主人公だったら、わざわざ危険を冒してフェンスを越えることはしないんじゃないかな。
そこは、自分が存在できない町なんだと気づいていれば。
無計画に飛び込んで、妹を説得できず、環境にも馴染めずに逃げ出すお姉さんじゃなくて、もうちょっと影響力あるキャラクターだったら楽しかったような気がする。
しつこさが発揮されなくて残念だよ…。
序盤に主人公が馴染んでいく様がめっちゃ丁寧に描かれてるのに、お姉さん出てきてから流されるのがあっという間で残念。
お姉さんて実は結構難アリじゃないのかな…
自分では助けてあげられなかったのに、よく妹のこと母親失格みたいな態度で見られるなと思ってしまった。
妹が悪いんじゃなくて、姉が歩み寄れてない。
妹に対する無意識な批判とか傲慢さを感じたし、愛してるって分からないの、みたいなセリフも子供っぽいし、見た目は自立してそうだったけど、妹と対照的に経験値が少なくて古く保守的な価値観を持った女性像だったのかな。
そう考えると、ストーリーに毒があって良い。

ただあまりにも、あっちの世界で生活することに縛りや苦痛がないのが、退屈で…。
映像的にも刺激的なシーンがなくて辛かった。
外の世界のはみ出し者たちが集まってるなら無秩序になっててもおかしくないのに、フェンスの中で良い子にしてるのは違和感だった。
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