ChikaOkuyama

スパイの妻のChikaOkuyamaのネタバレレビュー・内容・結末

スパイの妻(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

オンライン視聴会で観させて頂きました!

黒沢監督は『CURE』がとても好きなのですが、今回の作品も似たような演出がされている箇所が多くあり、これぞ黒沢作品!と言える作品だと思います。

戦前〜戦中の「狂気」の時代の中で自分の信念と正義を通そうとした夫婦の物語でしたが、セットや衣装から当時の雰囲気を感じることが出来ましたし、役者の話し方や所作が良い意味で「違和感」があり、当時の様子をしっかり再現しようとされていたのかなと思いました。

演出でいえば、奥行きを感じさせるショットが多くあり、被写体との距離があるカメラワークが多いため要所で使われるクローズアップが際立っているように思いました。

また、作中で重要になってくるモノクロフィルムですが、冒頭から何度も登場しており、その度にカーテンや扉を閉める描写が出てきます。「光を遮断」しなければ「映像」を写すことが出来ないということを強調しているように思い、正しいことをするために様々な犠牲を払った二人の関係を表しているようにも見えました。

また時間をおいて、今度は映画館の大きなスクリーンで観たいなと思います!
ChikaOkuyama

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