ハシオ

スパイの妻のハシオのレビュー・感想・評価

スパイの妻(2020年製作の映画)
3.5
本作は、2020年6月にNHK で放送されたテレビドラマをスクリーンサイズや色調を新たに劇場版として公開した黒沢清監督作品。

いやぁ、まさか黒沢清がNHKでドラマを撮っていたとは…。
お恥ずかしながらドラマ版の存在を知りませんでした。
さて第77回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞に輝いたこの作品ですが、感じたのは男と女による詰め将棋!(というかチェスか笑)

最初はスパイの男とその妻によるラブロマンス的な話?な~んて思っていましたがそこは流石黒沢監督ですね。
序盤こそサスペンスの香りもありつつ、物語が進むにつれ福原優作(高橋一生)というペテン師のような男と、そんな彼を愛する(執着する?)福原聡子(蒼井優)が、どうお互いを制するか、御するか…というお話になっていきます。

なので、あくまで個人的にですが、この映画ってスパイかどうかって別にどうでもよくて、何なら時代設定さえも別にどうでもいい気がします。
要は分かり合えない男女。
または、一つ屋根の下に住む夫婦といえど何を考えているのか分からない恐怖、みたいなものを描いているのかなと思いました。

しかし、蒼井優の演技が滅茶苦茶良かった…。
お見事ぉ‼
ハシオ

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