ひろくん

スネーキーモンキー/蛇拳のひろくんのレビュー・感想・評価

スネーキーモンキー/蛇拳(1976年製作の映画)
4.8
これは完全に面白いやつですよ。何回見たって良い。オープニングのジャッキーの型披露から始まって面白い予感しかしない。ただ、これだけ見て香港映画好きかもしれない!なんて思っちゃう人はチョロいんで、香港映画あんまりなめないほうがいいですよ。これはめっちゃ面白いやつなんで。
至ってあっさりだがカンフー映画の醍醐味(拳法、道場、師匠弟子、修行、刺客)をきっちり詰め込んだオーソドックスオブオーソドックス。とにかくつまらないシーンがなく小気味よくカンフーが挟まれるのでダレ知らず。
僕がもっとも推すのは、お師匠がチェンフーに「私の茶碗を取ってみろ」と遊ぶシーン。あそこにカンフーが見えなきゃ節穴だ。お師匠が持っている茶碗をただ取りあげればいいという至極シンプルな遊びだが、茶碗を取られないようにするには全身を使い、相手の何手も先を読み、すんでのところで回避する。足の運びから体の使い方、精神までも、これぞカンフー哉。そして、あのシーンがいいのが、落ち込んでいるチェンフーを慰めるための遊びということなんだよなぁ。
ああやって遊びや日常の中に修行を見出すという精神が素晴らしい。まさしくマスター・シャーフーの「暮らしの中に修行あり。」とはこのことである。
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