柏エシディシ

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの柏エシディシのレビュー・感想・評価

5.0
アニメーションの歴史を再び塗り替えるどころか、映画の歴史を塗り替える勢いの超ド級傑作。ここまで、凄いのが来るとはさすがに…!しかも、まだ続きがある!最高っ!
こんな凄まじい映像体験が出来るならば2、3000円の鑑賞料金なんて安すぎるくらい。つべこべ言わず、今すぐ映画館に行きなさい!以上ッ!!!

以下。戯言。ネタバレなし。
もはや、マルチバースというコンセプト自体に食傷気味な昨今において、そのメインストリームへの先鞭をつけたといいスパイダーバース。
その落とし前というか結論は完結編に持ち越しとして、橋渡しの本作も、アニメーションとしての利点、アニメーションだから出来る自由さと強さで、そのコンセプトを限界まで突き詰め遊び尽くしてて死ぬほど楽しい。
と、同時に。本作の親子関係や師弟関係を主軸のドラマにすえた物語は、ヒーロー映画全盛の今の時代今の観客にとってもダイレクト且つシリアスなテーマで、引きこまれてしまう。
私自身は子供を持たない身ではあるもの、近親者や友人の子供たちや職場の若い人たちのことを思うと、こんな世界や社会を引き継がなければならない未来への不安や責任に暗い気持ちになる事がこの所少なくない。
おそらく作り手も、そして観る側も、この問い掛けからは逃れられない。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」
運命という名のシステムに抗う我らがヒーローは、どんな決着をつけるのだろうか。

しっかし、アレですね。
最新のエンターテイメント映画としてのストーリーテリングのスピード感とあり得ないくらいの情報量。
エブエブもそうだけれど、これが今の世代の映画なんだとひしひしと感じる。
何とか振り切られずに今は楽しめているけれど、10年後くらいも現在進行形の映画を楽しめるのか?
オジサンはやや不安にもなります
柏エシディシ

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