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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのPeのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

音と映像の洪水で物語に没入しながら、スパイダーマン(ウーマン)たちの世界へ墜ちていく。

もちろん主人公はマイルスだったけれど、グウェンの物語でもあった。前作ではひたすらクールに見えていた彼女だけれど、彼女の世界のピーターとの別れや、父親とのすれ違い、『自分の半分しか見せられない』ことの苦しさと、それを分かち合える居場所を求めて、彼女は作中で一番藻搔いている。それゆえ、ラストに彼女のオリジナルの世界がブルーを基調にしていた世界から、父親との和解を経て暖かなオレンジやピンクといった世界に変わっていくところが映像表現も相まって本当に美しい。彼女自身が成長して自分で自分のバンド(居場所)を見つけたグウェンが、どうやってマイルスと再会するのか続編に期待が高まった。

ちなみに、作中のグウェンとマイルスに起きたすれ違いが、予告から受ける印象とは少し違っていて、それがいい感じにミスリードとなっているな、と。(互いに惹かれあっていたのに、その感情を裏切る行為をしてしまったのが、グウェンの方だったとは)

コミック読んでるともっとわかるところが沢山あるんだろうなと思いながらも、この映画から直接感じたものを大切にしたいな。

続編があることは知っていたけれど、完全な続きものだったのでラストは割と驚いた。ハリウッドでフランチャイズの惰性で続く2作目と3作目ではなく、帝国の逆襲的な正統派の前後編の映画が作られるのはめちゃくちゃ楽しみ。
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