うずくまる

はりぼてのうずくまるのレビュー・感想・評価

はりぼて(2020年製作の映画)
4.5
【⠀議会=守銭奴ゾンビの巣窟】

個人の問題だけではなく、環境によって容赦なく感染していく汚職。横領って麻薬みたいなんだね。政務活動費消化率100%って揃いも揃って全員やってたってことだもんな。富山ヤバすぎ。

天丼芸につぐ天丼芸で劇場では笑い声とため息が交互にそこここから聞こえていた。

天丼芸のひとつとして、当時の富山市長森氏が「自分はコメントする立場にない」「制度論」と言い逃れするだけのロボットのようになっていたのが印象的だった。

奇しくも先日のキネマ旬報年間ベストテン表彰式の映像において、故・大林宣彦監督の「制度が嫌い。制度が戦争を産む」というコメントが流れていて、制度によりかかって思考しなくなることがいちばんの悪政だなとつくづく思った。

謎を残すラストは考え続けて欲しいからだそう。ディテールや制作の思いを五百旗頭さん砂沢さんが語っている記事がネット上に沢山あるので、本作を観た方は是非アフタートークでも聞くような気持ちでそちらの記事を読み込まれることをオススメしたい。

※記事の一節に、富山市議たちはまだ泣いたり恥じ入るから希望がある。国政にはもうそういったものが無い。官邸記者も慣らされて、失っているのではないか。この映画を観て涙する官邸記者が数人でもいればこの映画は成功だ、というような事が書かれていて、もっともだと思った。
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