イチロヲ

ある女教師 緊縛のイチロヲのレビュー・感想・評価

ある女教師 緊縛(1978年製作の映画)
4.0
予備校に従事しているマゾヒストの女教師(岡尚美)が、純真を注いでくる生徒(野上勉)とサディストの調教師(下元史朗)の合間で、心を揺り動かす。マゾ気質に翻弄される女性の人生模様を描いている、新東宝配給のピンク映画。

ヒロインとなる女教師が、一人の生徒と心の交流を始めるのだが、肝心の身体は調教師の凌辱行為を求めてしまう。いわゆるひとつの「心と身体の乖離状態」をテーマに取っている、性愛ドラマ。

負け犬精神をもつ生徒が「ウンコのような人生」という哲学を掲げるため、若年期の筆者との同調が促される。また、下元史朗のシークエンスでは、岡尚美を秘密クラブのレズ嬢(山下エミ=日野繭子)に預けるという、性倒錯の基本形を提示してくれる。

絡みのシーンでは、ギターが唸るサイケロックをバックに、ポップな色付きの縄で緊縛を展開。大型タイヤのホイール部分に身体を突っ込まれた岡尚美が、そのまま釣り上げられてしまう。パッと見では、サンエックスのキャラクターのようで、とても可愛らしい。
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