EDDIE

夏への扉 ―キミのいる未来へ―のEDDIEのレビュー・感想・評価

4.5
猫と清原果耶と、ときどき藤木直人。
近未来SFの原点回帰したような親切設計のプロットと心地良い物語の着地点に「好き」と言わずにいられない。
挫折から諦めぬ心で人生を好転させようとする主人公の適役は山﨑賢人以外にいないのでは。

とても愛着の湧く映画でした。
本年でも特に好きと言える作品の一つ。

正直TwitterなどのTLではあまり評判良くなかったんですよね。
けど、最初から最後まで飽きずに食い入るように観てしまいました。

三木孝浩監督の作品は『フォルトゥナの瞳』は微妙だったんですけど、以降の作品は結構好きな作風が多いんですよね。
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』も好きです。

SFを題材にしてますが、たぶん理論で見るよりも感情で見る人に評価されそうな作品です。
だって純粋にエモいんですもん。

清原果耶演じる璃子がミスチルの“CROSS ROAD”を聴き、イヤホンの片方で山﨑賢人演じる宗一郎が聴く。
あざとい演出ですが、いやらしくない。
そして、序盤これでもかというぐらい見せられる愛猫ピートのカット。
猫好き必見の映画ですね。可愛すぎですもん。すべてがあざとい。

プロットは正直単純明快でSFにありがちな複雑な構成がないんです。
だから、もしかしたら真のSFファンには物足りないかもしれませんね。
でも、それ以上に物語のわかりやすさと次々に登場するキャラの愛らしさにもうこの作品を憎むことはできません。

清原果耶、かわいい。
濱津隆之、かわいい。
野間口徹、かわいい。
田口トモロヲ、かわいい。
藤木直人、たまらなくかわいい。
原田泰造、かわいい。
高梨臨、美しい。
浜野謙太、かわいい。
夏菜、エロい。

ちょっと眞島秀和だけ救いようがありませんでしたが、彼は彼でイヤなキャラを一手に引き受けていました。

そして、山﨑賢人ですよね。
一度絶望に打ちひしがれてから立ち上がる模様は『キングダム』同様に主人公に相応しい背景描写。
諦めずにひたむきに頑張る姿勢は好感しかありません。

驚きの展開というのはそれこそSF見慣れている人からするとないかもしれませんが、私が感心したのはあまりにも丁寧に作り込まれたプロット。
序盤に明らかに予定調和なツッコミどころな描写があったんですが、それは後できちんと答え合わせされました。なるほど、そういうことかと。
深読み考察するには簡単すぎるのですが、ある意味わかりやすい分、SF初心者にはもってこいな作品です。

何よりもラストの綺麗すぎる展開。
好きですねぇ。とても良かった!!

あと個人的に藤木直人が「ガラスの仮面」を読んでいるシーンがあるんですが、ここは製作陣の遊び心が伺えて笑ってしまいました。笑

※2021年新作映画88本目
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