蛇らい

夏への扉 ―キミのいる未来へ―の蛇らいのレビュー・感想・評価

2.4
近未来のルックが、極端に言うと昭和の少年誌のワンページに特集されたような、無機質なイメージのまま止まっていることに辟易する。未来と現代の差をわかり易くした描写なのだろうが、リアリティは皆無だ。

その他、主人公周辺以外のコミュニティと社会を描写するシーンもなし。研究者や開発者などの彼ら以外の人々の生活はどうなっているのかという観客側の興味には目配せしてくれない。

ストーリーに関しては、数ある傑作SFやタイムパラドックスものを経過した観客にとっては基本中の基本に乗っ取った展開。原作自体が古い作品なのでしょうがないが、名作と言われた原作に今まで誰も着手しなかった理由も理解できる。

コールドスリープという面白い設定について、倫理観を揺るがすような掘り下げがあってしかるべきだとも感じる。
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