MasaichiYaguchi

8日で死んだ怪獣の12日の物語のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.1
樋口真嗣監督ら5人の監督が「怪獣の人形に願いを込めてコロナウイルスを倒そう」という趣旨のもと、リモート製作された劇場版はフィクションだがドキュメンタリーのような“モキュメンタリー”映画。
舞台は新型コロナウイルス感染症拡大で緊急事態宣言下の東京で、主演の斎藤工さんがほぼ本人役のサトウタクミで出演し、その他、樋口真嗣さんがもろ樋口監督で、あとのんさんが丸戸のん、武井壮さんがオカモトソウ、そして穂志もえかさんがYouTuberのもえかすという役柄で夫々の日々を“開陳”していく。
本作のモチーフで「カプセル怪獣」が出てきて、映画でも言及されているが、我々年代としてはウルトラセブンに登場するウインダム、ミクラス、アギラを指していて、モロボシ・ダンが何らかの事情で変身出来ない時、代わりに怪獣や宇宙人等と戦う正義の怪獣を意味している。
この「カプセル怪獣」をサトウタクミが通販サイトで購入し、その“成長日記”と言うか“変化日記”を毎日配信し、そのことについて友人、知人とのやり取りを映し出していく。
この「やり取り」が普通のようでいて、内容的にはどんどんシュールな方向に流れていき、果たしてどのような“落ち”になるのか、観ていて別の意味でハラハラしてしまう。
東京都の新規の感染確認が毎日最多の記録更新し、時間稼ぎの「カプセル怪獣」では手に負えない事態になっているこの頃、ヒーローたちの“出番”を待つ間は一人一人が“自己防衛”していくしかないような気がする。