2009年アフガニスタン
すり鉢の底にあるが如く脆弱な前哨基地（アウトポスト）で、押し寄せるタリバン部隊との過酷な戦闘を戦い抜いた若き米兵達を描いた実録戦争アクション。
我々日本人には馴染みが薄いが、米陸軍史上最大の悪夢とされる激戦「カムデシュの戦い」を世に知らしめ称揚すると共に亡くなった兵士達を追悼することを目的にした作品とも言えるが、米軍賛美をあからさまにする終幕にはやや鼻白むところあり。しかし、自分がその場にいるような臨場感ある戦闘シーンの迫力、特にタリバン兵の銃弾が乱れ飛ぶ中を傷ついた同僚を救う為に飛び込んで行くシーンが胸を打つ。
戦場は残酷なほど上に立つもののリーダーシップが問われる。冷静な知的判断と勇気ある決断、自ら範を示す行動が平時とは全く重みが違う。命をかけた判断の重さを考えさせられる映画であった。
