ベビーパウダー山崎

The color wheel(原題)のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

The color wheel(原題)(2011年製作の映画)
3.5
倫理観や道徳を踏みつけ越えてくる終盤、終わってしまえばそれが必然だったかのように姉と弟の旅はセクシャルな会話だらけで、はじめから導火線に火がついていた。姉と弟が弾けるのをどこかで期待させている、見ている私たちも傍観者ではなく共犯者であることを目配せしている挑発的な作り。
生徒に簡単に手を出すクズの教授に遊ばれていた姉の人生、教授に惹かれたから弟とではなく、弟の代わりとして教授とヤッていたと考えるのが自然。ダラダラと内向きの会話劇、卑屈な笑い、それだけで閉じてしまえば巷に転がるインディーズ映画の一つとして埋もれてしまいここまでの評価はなかったと思う。描くべき関係を正面から見据え、それが例え不快だとしても大衆に媚びず臆せず撮りきったからこそアレックス・ロス・ペリーの今がある。