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ボーイズ・ステイトのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ボーイズ・ステイト(2020年製作の映画)
4.0
誇りに思う…意見が違っても妥協だけじゃなく合意もできるはずだ!(ベンでなく)スティーヴンのような政治家が増えてほしい

こんな混沌とした世界でも希望がまだあると信じたい --- そう思える人の良心とあるべき姿を見た!!政治とは何たるか、そのメカニズムを学べる。政治の勉強になるばかりか、ドラマとしても引き付けられるものがあり非常に興味深く見られた。

「みんな馬鹿騒ぎをしたいんだと思ってた、だからそう振る舞った」男子たちばっかりだからって途中まで無法地帯になりすぎて心配になった。こんなのに参加するのはさぞや意識の高い大人びた連中だろうなと思ったら、もちろん政治に対する興味や知識量はあるのだろうけど、クソガキばっかりか…と。その場で見ている大人いないのか?
米国在郷軍人会主催。流石、テキサスで行われているだけあって中絶反対や銃賛成、移民取り締まりが多数派。自ら認めるように大半がどっぷり保守派なのは自明の理、リベラル毛嫌い。やたらと"男らしさ"に囚われているやつもいる。大衆を扇動し、一人の人間を吊るし上げるなんて汚いやり方。勝つためには容赦なく相手を批難するのが政治というゲームという認識。ゲームは当然勝ちたいから自分の意見を変えてでも勝ちに行く。民主主義もまた夢物語では生きていけない世界なのか?勝てば何しても問題ない?ネガティブキャンペーンもOKでドンドン利用できるものしていこうみたいな勝利/結果至上主義の末にいがみ合い、憎しみ合い、火を付ける厄介な政治オタクなベン。まるで本物の"政治家"みたい。

「だけどみんな心の中では本気になりたかったんだ」ロバート、只者じゃない感は始まって間もなく前半から出まくっている。レネ、離脱認めなかったら直ぐさま弾劾されそうになる。行き着く先が差別とは悲しいな。まとまらない国民党。委員長が黒人のレネと障害を抱えたベンとあったことも印象に残った。
一方でスティーヴン、応援したくなる。心からの言葉が人々を突き動かす。少年なのに落ち着きと安定感、そして不思議な貫禄がある。日本には、やっぱり事なかれ主義のお国柄だからか、そういうところはあまりない気がする。話し合えば必ずお互いを理解できます。委員長レネが攻撃されたときの「僕がここまでやって来られたのはレネのおかげだ、ありがとう。ここからは僕に任せて」みたいにマイクを通して言うスティーヴンが格好良すぎて驚いた。最後まで誠実に戦ったことで党派に関係なく誇りに思うと言葉をかけられ、尊敬の念を寄せられる。何に対する拍手だ?

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