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ウィリーズ・ワンダーランドのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2021年のアメリカの作品。

監督は「ASHRA アシュラ」のケヴィン・ルイス。

あらすじ

車が故障し、人里離れた街に取り残された男(ニコラス・ケイジ「ガンズ・アンド・キラーズ」)。通りがかった修理工に助けられたものの、修理代が払えず、支払いの代わりに廃墟となったテーマパーク「ウィリーズ・ワンダーランド」の清掃員として一晩だけ働くことに。しかし、そこは、かつて殺人犯たちの魂が儀式によって乗り移った殺人アニマルロボットが巣喰う生贄のテーマパークだった!!

アマプラにて、前々から、気になっていて遂に鑑賞。

みんな大好きニコケイの主演作だったんだけど、彼のフィルモグラフィー的には多大な借金によってZ級映画俳優として出演していた時代から、最近は、趣味趣向に突出した好事家ウケのするジャンル映画選びにシフトチェンジしつつある感じになっていて興味深い。

今作もその一作で、しかも彼自身が製作も務めているらしいんだけど、お話的には昨年本国ではあのブラムハウス史上1番興行的に稼いだ作品で、日本では今年2月公開予定のコンピュータ・ゲーム原作の実写化「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」と概要がめちゃくちゃソックリな内容。

アメコミ好きのニコケイのことだから、どちらが先かという問題以前に原作ゲームをモデルに脚色したんかな?

で、今作でも寂れたテーマパーク「ウィリーズ・ワンダーランド」というテーマパークというよりかは昔よくあったボールプールとかプラスチックでよく滑る滑り台とかが併設されたマクドナルドみたいなチープな場所で、どうやら黒魔術で全員シリアルキラーの従業員たちの魂が乗り移った殺人アニマル着ぐるみロボットと戦う感じなんだけど、とにかくそんなロボットと対峙するニコケイ演じる謎の男がバリ強い!!

出自も心情も劇中セリフがなく一切不明な謎の男なんだけど、冒頭、ブルーカラーのかっちょいいアメ車が故障して、テーマパークで働くまでは、もしかして過去にロボットたちと因縁がある??などと観る側にいらぬ背景匂わせそうな意味深なカットもシリアスな表情を醸し出しといて、全然そんなこともなく、いざ清掃員として働き出すと割と真面目に清掃員として荒れ果てたパーク内を清掃し出すのが面白い(しかも、清掃シーンが長く、それでいて丁寧w)。

ただ、要所要所でアニマルロボットとエンカウトすると一気にバーサーカースイッチがONになり、素手やそこら辺にあった鉄パイプを使って、血の代わりにロボットのオイルの返り血を顔中に浴びながら嬉々として相手をフルボッコないしオーバーキルする様が凄まじい!ニコケイの顔力全開のアクの強さ!!

で一体殺し終わる度に、冷蔵庫からエネドリ一本グビグビ開けて、そこにあるレトロゲームを鼻歌混じりに平然と楽しむという…マジで何もんなんだ笑!?

アニマルロボット自体もラスボスである、イタチのウィリーを筆頭にワニのアーティ、妖精のサラ、カメレオンのキャミー、ゴリラのガス、おやすみナイト、ダチョウのオジー、カメのティトと全8体のロボットたちは見た目は薄汚れていながらもそれなりにファニーで愛らしくもあるんだけど、生気がない目で「あそぼーよー!!」と襲いかかってくる感じが怖く脅威ではある。特に唯一人間に近い妖精のサラは暗闇から素早く襲いかかったり、背後から急に現れたりとホラーみが強くて怖かった💦

ただ、そんなアニマルロボットたちもニコケイの前ではガラクタ同然でほとんどなすすべもなくやられていっちゃうんだけど…。だから、まぁ描写はホラーなんだけど、ニコケイの圧倒的チート性能な強さによって完全に中和されているのでホラーというよりかはシュールコメディの様相を呈しているのが特徴かな。

ただ、ニコケイがピンチにならない代わりに昔両親を殺されたヒロインとその友だちグループが潜入して殺されたり、テーマパークを警備する、顔がめっちゃ魔女的なおばあちゃん保安官とその後輩で人が良さそうな若手保安官がやってきて殺されちゃったり、最後は高みの見物気取ってたテーマパークオーナーと整備工のおっさんのザマァ!展開だったりとその他大勢の死に様が観れるので、そういうスラッシャー展開もちゃんとあるにはある。

また、ニコケイが良くも悪くも業務に忠実で自分で決めた仕事時間内だとロボットと戦うんだけど、腕時計のタイマーが鳴るとどんなシチュエーションであっても休憩をとるという自分ルールを課しているらしく、ヒロインと共闘するカメレオンのキャミー戦ではタイマーが鳴って「あとはよろしく!」と無言でソソクサとその場を後にしちゃうシーンとか、また面白い。

そんな感じでニコケイの趣味全開なジャンルホラーな作品!って感じなんだけど、短くよくまとまって、なおかつロボットの個性もそれなりに豊かなので退屈せずに観切ることができた。この作品を経て、ブラムハウスの方は全く違うのかそうじゃないのか…公開した頃には見比べてみるのもアリだと思う。
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