てんぞー

ウィリーズ・ワンダーランドのてんぞーのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ニコラス・ケイジが廃レストランをメチャクチャ掃除する話。
ゲーム版「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」のインスパイア映画で、機械仕掛けのマスコット達が1体ずつ動き出してはニコラス・ケイジにぶち壊されていくのが爽快極まりない最高の映画。

ストーリーラインはごく単純で、迷い込んだ館に驚異の殺人鬼が居て困った事になるという、スラッシャーホラーの類型。
だがしかし、一言もしゃべらずメチャクチャ丁寧な掃除をしつつ、襲い来る鋼鉄の骨格を持つマスコット達を圧倒的な暴力で粉砕するニコラス・ケイジが物語の中に他に類を見ない熱量と勢いを注いでいる。

クリーナーでガラスを拭き、床を掃き、トイレを磨くニコラス・ケイジが見られるのはこの映画だけ。
休憩時間になると何が起きていようとも休憩するという仕事人のルーティーン。エナジードリンクをがぶ飲みし、やけにセクシーにピンボールを弾く。盛り上がりの絶頂にはこの映画オリジナルの激アツソングまで流れ始める始末でもはや誰もニコラス・ケイジを止められない。

ニコラス・ケイジが最高な一方で、物語的には少し詰めが足りない部分が目立つ。
人の手に負えない凶悪な呪いの機械人形という触れ込みのマスコット達だが、まあ、ニコラス・ケイジに簡単にバラバラにされてしまうのでイマイチ強そうに見えない。
単純にその廃レストランに居るだけの存在ならまだ良かったのだが、マスコットにビビり散らした町の人間が機械人形の暴走を鎮めるため、定期的に町に訪れる人々を生贄を捧げてきたという物語の真相は、いまいち腑に落ちない。
無敵の人形ではなく、壊せば死ぬ程度のマスコットなので普通に倒せばよかったのに。

中盤で登場する廃レストランを燃やしてマスコットを片付けようとする若者グループは、なかなかキャラが立っているものの、いかにも死ぬ為に登場した風で少し残念。
総じて、ニコラス・ケイジが最高な映画だった。