舞台は韓国。
その中で不思議な縁で出会った人間たちが繰り広げる物語。
日本人の家族と韓国の家族が触れ合うことによって、
日常にメロディアスな音階が生まれる素敵な内容でした。
「海の波に漂う黄昏の言想歌」
愛する人を失いました。
私は何か罪を犯したのでしょうか。
原因などあるのでしょうか。
私が本来愛すべき人は他にいるということでしょうか。
陽が沈んで暗い世界で泣いている人。
涙は言語以上に私に訴えかけてきます。
私の予想を超えた衝動が、自我の底から言語を放ちます。
あなたの涙に触れるたびに。
愛するということを忘れます。
その瞬間はどこか、幸福なんだと思うのです。
言語が壁を作ることもあります。
しかし障壁を乗り越えることもできます。
あなたとの数少なく交わされた言葉のキャッチボールをした夜の風は今でも脳裏に息吹として実存してます。
だからこそ、言語の裏側にある不思議なエネルギーは伝わると思うのです。
私は今この瞬間にこの場所であなたに出会うことができました。
それは幸せと素直に感じていいことでしょうか。
確信が持てないのです。
私は幸せよりも、強い確信が欲しいのかもしれません。
幸せは、どこか漂っていて、一瞬で波に呑まれて行方がわからなくなってしまいそうです。
しかし、確信は簡単に崩れない佇まいを感じるのです。
高価な日常なんて入りません。
みんなでただ、ただ、こうして輪になって食事をしていることが今の私にとってはとても必要なことなんだと、
確信を持っていえるからです。