虎舞羅ーコブラー

樹海村の虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

樹海村(2021年製作の映画)
3.0
「呪怨」シリーズを手掛けた清水崇監督が、樹海とコトリバコの恐怖を描くホラー作品。

本作で2021年鑑賞本数100本目突入。長いようで短いような、なんか不思議な感覚ですが、これからもまだまだ観ていこうと思います(*^^*)

「犬鳴村」に続く東映配給“恐怖の村”シリーズの第二弾。
どうしても気になって気になって仕方が無いもの。そして殆ど誰もが暗黙の了解かの如く触れていないあるもの。気になりすぎて集中出来ませんでした。
それは、
(((孤狼の血の狼Zippoの襲来!!)))
これ、本当に唐突に登場するんですよ。主人公が夫に貸してあげたタバコと共に。(なお、孤狼とは違いタバコの銘柄はハイライトではありませんでした)
そのシーンからずっと「なんでガミさんのZippoが出てくるの…?もしかして東映繋がりのサプライズ…?(震え声)」となってしまい集中できない事態に。ただそれだけの登場だったのかと思いきや、割と重要な場面で使われ黒焦げに、、複雑です。外食に出て自分だけお金無くて食べられないかの様な虚無感に襲われました。

と、蛇足はさておき本題へ。
本作では“樹海”と“コトリバコ”の恐怖をミックスさせながら、ある樹海の村の奇習や呪いを中心に描いていきます。
最初は心霊系ホラーを予想していたのですが、思いの外グロホラーに吹っ切っていました。映倫レーティングがまさかのG〈全年齢〉。この描写では流石にPG12でしょ…と思いましたが、映倫でのGは“一定の大人向けの作品も含む”とあるので、こんなもんでしょうか。公開当時、私の周りでも実際に鑑賞しに行く映画をあまり観ない若者世代の方たちも多かったと聞きますが、これはかなりショッキングだったのでは…。
ヤクザ映画顔負けのハサミ指**があったり、首を骨折し頸椎が突き出た遺体とその音がまんま入っていたりと、「呪怨」でも所々見られた清水監督のゴア描写が遺憾なく発揮されていました。生理的に追い詰める恐怖描写が多いため、苦手な方は本当にキツイかも。
ストーリーの面では、「犬鳴村」と同様に少し唐突すぎる場面転換やキャラクターに魅力を感じさせる要素が極端に少なかったりと色々ありますが、前作よりは後半の怒涛のラッシュも少し飲み込めるようになっていると感じます。あとこれは今のJホラー作品に言える事ですが、どうしても演技が気になってしまう方もいたりします。ですが、日本産ホラーが下火になりつつある昨今の状況から、ホラー映画の演技というのはかなりハードルが高い様に私は感じます。そういう所も、これからJホラーを進化させていく課題の一つと言えるのではないでしょうか。

色々書かせて貰いましたが、“ホラーとして”の点数ではなく、“一つの映画として”評価させていただきます。
ですが、日本のホラーにはあまりない“ゴア描写”に力を入れ、今の日本映画界でここまでヒットしたのは大きな進歩ではないかと私は思います。
次作「牛首村」も気になります…!