イチロヲ

黒下着の女 欲情の赤い蜜のイチロヲのレビュー・感想・評価

黒下着の女 欲情の赤い蜜(2015年製作の映画)
3.0
階段からの落下事故により記憶障害を患っている女性(きみの歩美)が、高級コールガール時代の記憶を辿っていく。記憶を失っている女性の自分探しを描いている、オーピー配給のピンク映画。

ヒロインの記憶を断片的に開示していくスタイルを取っている、サスペンス系の作品。権力者に性の捌け口を提供している売春組織の暗躍と、ヒロインの"無意識的な行動"に意味を見いだしていく展開に、訴求力が備わっている。

しかしながら、「ヒロインが頭痛と共に過去を思い出す」→「過去のフラッシュバック映像が流れる」というパターンが都合よく挟み込まれ、きちんと時系列順に並べられるため、パズルのピースが合わさるようなカタルシスは得られない。

登場人物では、ヒロインの婚約者を自称する中年男(なかみつせいじ)が、"居心地の悪い良識人"を演じており、意味深長な存在感を放ってくる。記憶喪失以前の人間像や馴れ合いをヒロインに言い聞かせていく展開が、大きな見どころ。
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