上野オークラで鑑賞。
同年の国沢組から間を置かず登板となった佐倉絆主演作。こちとら、専ら里見さん見たさで行ったが、やはり筆鬼一の薄い骨組みだけのペラペラなプロット(やすらぎの郷が元ネタらしい)と字面が透けて見える台詞は如何ともし難く、何とか脇役で持たせた苦しい仕上がりだった。
里見瑤子と柳東史の芝居の作り込みがあっての作品で、二人の絡みまで見られて、それはそれで有り難い。というか、加藤義一はそこでこの作品に良しを出してしまうのが良くない。デジタルの遊びも程度問題で、今回は見苦しい。
ヒロイン・佐倉絆が思った以上に大根に見えるのは台詞が人が話す言葉じゃないからで、故に助演の初美りんも一本調子の同じ印象になってしまうだ。
大体、出てこない引きこもりの話って竹洞組でもやってるじゃん。
この話だとあの昭和バカの男性キャラが前に立たないといけないのに、櫻井くんがいい芝居してさらってしまうから余計に話が散漫になって笑えない。
……笑えない艶笑コメディというのはやはり失敗だと思うぞ。