法月

そこにいた男の法月のレビュー・感想・評価

そこにいた男(2020年製作の映画)
3.3
片山慎三監督の作品を観よう三作目。
今回は30分のショートムービー。サクッと観れました。

冒頭、マンション前。全裸で血まみれで横たわってる男。
その傍ら、体育すわりで煙草片手に携帯で何かぼそぼそと呟いてる女。
彼女も返り血で真っ赤...

あぁ、あの事件だ。

要は、遊び人の男にひっかけられ貢ぎ続けた純な女の暴走刃傷沙汰...
別に珍しくもない。
こんな男は、こんな女はごまんといるだろう。

「さがす」「岬の兄妹」のようなショックはない。
ただ、この監督が描きたいことはわかった。
人間の負の部分、弱さに目を向けずにはいられない人なんだろう。
地獄はどんな境遇の人間の前にもゴロリと転がっている。
その地獄に落ちる前に踏みとどま(れ)る人はいる。
けど、この監督が描きたいのはズルッと転げ落ちてしまう人間たちだ。
多分、ね... 三作だけ観て断言するのは浅はかだよね(^-^;...

ちょっとTVの再現ドラマ的なチープさは気になった。
が、クスッと笑わせるような、ちょっとほっこりするようなラストシーンに非凡さを感じた。

毎日レビュー 004


<追記>

ケンコバがMCを務めるネット番組「絶対に観るなよ!?」。
地上波では流せないようなヤバい体験をした人を呼んで話を聞く回に、この作品のモチーフとなった事件の被害者男性、出てました。
生きてます(^-^;/

彼はホストで、刺した女は彼の超太客だったそう。
今、その女のことどう思ってますか?という質問に
「感謝してます、いっぱいお金使ってもらったから」
だそう...

出所した彼女がまたお客さんとして店に来たら受け入れられます?という質問には
「いや、それはちょっとムリですね」
だそうです(^-^;...

人生いろいろ。
法月

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