イチロヲ

濡れ絵筆 家庭教師と息子の嫁のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.0
妻に先立たれ、息子夫婦と同居している還暦の独身男(森羅万象)が、妻帯者との不倫に縛られている絵画教師(古川いおり)と知り合う。マトモな恋愛関係を築くことができない女性の自己実現を描いている、オーピー配給のピンク映画。

第二の人生を歩ませることになった良識人のオヤジが、人生を模索している訳ありの女性教師と遭遇。結婚指輪を付けている女性教師の家庭内事情を察しながら、癒やしを与える存在へと変容していく。

ヒロイン役の古川いおりが、研ぎ澄まされた役者スキルを披露しており、"不倫という天然ドラッグに依存している女性像"を見事なまでに具象化させている。息子の妻(神咲詩織)が、女の勘を操りながら、女性教師の裏の顔を詮索してくる展開も面白い。

やっていることは、箸にも棒にもかからない昼メロといった感じだが、女性脚本の真髄をストレートに掴み取ることができる。ある意味でヒーリング・ムービーの到達点と言っても過言ではない。
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