EDDIE

名も無い日のEDDIEのレビュー・感想・評価

名も無い日(2020年製作の映画)
4.7
仲の良い3兄弟。
優秀で真面目な次男。
なぜ死ななければならなかったのか。
自責の念に駆られるも…遺された家族の人生は続く。
独特な編集に魅せられ、家族や周囲の人々との関係性を映像で語る演出に唸る。
末っ子の金子ノブアキが素晴らしかった。


自分の好みにどストライクな作品でした。
公開週にもかかわらず、1日1回上映ってのはなかなか厳しいものがありますな。
永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキ、真木よう子ではお客さんは呼べませんかね。そんなことはないでしょう。
岡崎紗絵もとても可愛かったですし、今井美樹久しぶりに見ました。
あと、中野英雄が仲野大賀とそっくりに見える瞬間がありましたね。やはり親子…。
大久保佳代子登場にはちょっと虚をつかれましたし、眼科医役の窪塚俊介は先日『女たち』で見たばかりなのに全然気づきませんでした。。

これ後で知ったんですけど、日比遊一監督の実話をもとにした作品みたいですね。
確かにリアリティがあったし、でもこれが実話と言われると「マジで!?」と思わされるぐらい衝撃的な話。
けど、昨今増える孤独死報道なんて眺めてると他人事ではないんだろうなとか思わされます。

おそらく観る人によって大きく好みや評価が分かれそうな作品です。
少しだけFilmarksレビューを眺めましたが、あまりにも説明不足すぎるってコメントも見かけました。
逆に私は映像からこの兄弟や取り巻く環境がどんなものだったのかっていうのを推理しながら見る楽しみがあって、とても見応えを感じました。
むしろ説明不足なぐらいがこの作品はいいと思うんですよ。
なによりも作品のテーマ性にもの凄くその辺が重要に関わってきます。

この後に観た『キャラクター』なんて刑事の背景描写を全部セリフで説明しちゃいますからね。この作品を観た後だったので、余計目についちゃいました。

『名も無い日』のタイトルの意味もかなり意味が深い。
家族の関係性やそれぞれが抱えること、仲の良さ、立場の違い、過去などなど、語りたいことが多すぎます。
永瀬正敏演じる長男の小野達也がカメラマンをやっている背景やカメラを活かした終盤の演出には涙を誘われました。

なぜ日比監督がこの作品を撮ろうと思い立ったか、その背景がどうしても知りたくなるぐらい作品に没入してしまい、パンフレットを流れるように買ってしまいました。
パンフレットも熟読した上で、改めてnoteに本作の考察レビューをまとめようかなと思っています。

※2021年新作映画76本目
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