りょう

インファナル・アフェアII 無間序曲のりょうのレビュー・感想・評価

3.6
 ちょうど20年ぶりで2回目を観ました。ほぼ完璧な1作目は何度も観ていますが、2作目と3作目は、なんとなくスピンオフのようだったので、あまり印象にありませんでした。
 トニー・レオンとアンディ・ラウと比較するのはとても酷ですが、ヤンとラウを演じたショーン・ユーとエディソン・チャンは、ずっと不機嫌そうな表情と言動で、感情の起伏などの表現に乏しく、とても薄っぺらいキャラクターです。
 どうにも劇伴が過剰で、物語に没入しにくかったです。ずっと劇伴が途切れないような作品はほかにもありますが、こういう展開の物語なら、もっとメリハリのある劇伴が効果的なはずです。
 1作目は警察と黒社会の“潜入”がスリリングに展開していましたが、この作品ではヤンとラウよりも、ウォン警部とサムという幹部を主軸にした物語で、それぞれの組織で苦悩する姿が印象的です。若い2人がパッとしないので、アンソニー・ウォンとエリック・ツァンがいなければ、このシリーズのクオリティを維持できなかったはずです。マリーを演じたカリーナ・ラウは妙に艶っぽいし、ハウを演じたフランシス・ンも独特のボスっぷりがいい雰囲気です。アンソニー・ウォンとフランシス・ンの共演は、ジョニー・トー監督の傑作「ザ・ミッション 非情の掟」を思いだします。
 どうしても1作目と比較してしまいますが、ハリウッドがリメイクした「ディパーテッド」よりは確実にオリジナルの世界観を継承しています。
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