けーはち

恋に落ちたら…のけーはちのレビュー・感想・評価

恋に落ちたら…(1993年製作の映画)
3.4
冴えない刑事(ロバート・デ・ニーロ)がとある事件でマフィア(ビル・マーレイ)の命を助け、お礼に情婦(ユマ・サーマン)を貸出され、彼女に本気で惚れてしまうというロマコメ。どうしようもない甘い作品だがスコセッシを製作に加えての豪華なキャスティングが凄い。主演3人並んだ時177㎝のデ・ニーロが1番低身長で、小物キャラが際立つ。カメラマン志望、優しく芸術家気質な彼は鑑識課で死体を撮る毎日。刑事らしくタフに男らしくなりたいと自己嫌悪しているが、マフィア側は逆にそこを気に入り、世話した女の身請けを大幅値下げしたり(刑事側はそこからさらに値切ろうとするので酷い)、彼なりに出来る限り友情を維持したいのが見てとれる。結果として、小物が柄にもなく奮起、背伸びして勝ち得た恋愛成功譚の裏に、ちょっとガキっぽく、可愛らしくも哀れにも散ったマフィアの友情譚があるようにも見えてしまうのでありました。