日本で技能実習生として働く3人のベトナム人女性がブローカーを頼りに脱走し、不法滞在者として生活を始める物語。
分かりやすい「悪者」を作って叩く恣意的なドキュメンタリーではない。
説明的な字幕やわざとらしい台詞を削り、主人公の置かれた状況を淡々と描くことで、圧倒的なリアリティーを生み出している。
特に、主演女優ホアン・フォンの演技は鬼気迫り、臨場感を生み出している。
日本人にとって見慣れた光景がディストピアのように見えるのは、得がたい体験だった。
アメリカの社会派映画もいいが、日本を舞台にしたものは、やはり胸をえぐられる気持ちになる。