何かもを手放し、暮らしを転々とする。
側から見ればその生活はとても身軽で、実際その面もあるけれど、その実何も手放せず全てに執着している。
"地に足がつかない"が、段々"地に足をつけない"になっていく。
ファーンはどこに身を寄せても居心地が悪そうだった。独りでヴァンにいるのがいちばんましに見えた。ヴァンのなかにいても人の関わりが恋しくなる、ノマドのコミュニティにいても別れが辛くなる、親しい人の家に居ても自分の何を知っていると煩わしくなる、自然の中にいても動物と積極的に関わりたいとは思わないし仕事をしたいと思う。でもそういうのって形は違うけどファーンだけじゃなくてこの映画に出てくる人みんな抱えてることだと思って観てた。この生活に至った経緯は人それぞれ。求めるものも探すものもそれらにすら至らないも人それぞれ。踏み入り過ぎないからこそ築ける関係で成り立つ。開かれない限りそこに触れずにいる関係だけは心地いいんだろうなあ。触れないけどなんとなく同じ空気を感じるから心地いい。
自然、動物、人、自分、他人、仕事、関わり、生活、家族、好意、食事、物、家、生と死。どれも手放せなくてどれにも重きを置きたくない。偏り過ぎない。バランスを取りながら生きることがファーンの生き方だった。
クロエジャオ監督！フランシスマクドーマンド主演！放浪者の実話を元にした話！！
もうね、この時点ですきですよね…わかってたね。完全にすきなのわかってたね。
被写体が真ん中にドーンと映る画が印象的。大自然と人、混ざらないものを混ぜるの上手かった…！
また本物の人キャスティングしてる…！！ってキャストロールで震えた……。さすがに役者だと思って観てたので恐れ慄いた。ちょっと似た雰囲気の素晴らしい作品を2本続けて撮ったクロエジャオ監督がMCUのエターナルズをどう撮るのか想像がつかない…！！！楽しみすぎる！！
あーーもういまからまたTheRider観るね！！観るったら観る！！！！
